今回、これまでとは異なる試みを実施しながら、大会を開催していきました。
まず、健康観察チェックについて。
今大会はこれまでのように用紙に記入した個別の体温などの確認を実施せず、監督がチーム個々の健康状態を把握(別紙の団体票にて)して、大会会場内でチェックフォームQRコードを読み取り、送信することにしました。
また、受付でのチェック時に監督・選手以外の帯同者が付けるマスクシールを配布しました。
監督・選手はIDカードで確認、帯同者はマスクシールで確認という流れでした。
選手団と大会役員・保護者の区分を分け、選手団は受付場所も分けるなどしたため、大きな混乱もなく、スムーズな流れで入場が出来ていたと思います。
大会役員・保護者については会場入り口でのチェック実施となりましたが、柿泊会場などは入口が複数存在するため、会場内での管理問題が懸念されていましたが、マスクシールを実施したことで受付を通った人の把握が出来ました。
チェックについては、家族などの代表者がまとめて実施することができるので、受付で並ぶ時間もありませんでした。
そして、一番大事なことはデータ化です。
今回、受付でのチェックをQRコードを使い、インターネット経由での入力にしたことで、全ての入力内容を一瞬でデータ化することが出来ました。
コロナ禍での大会運営にとって、人と人との接触を減らすことや問題が起こった場合の来場者の確認などが容易にできるようになります。
これまでのように大会前の記録用紙の準備や大会後の保存なども必要なくなりました。
次に、団体戦におけるオーダーフォームの実施について。
今回、団体戦のオーダー受付をインターネットを使ったフォーム入力で行いました。
従来の複写式の紙に記入されたものを提出する様式では、監督が期日や試合回戦・自校名・相手校名に加えて、監督・選手のフルネームを何度も書かなければいけませんでした。
試合の度に繰り返されることで、監督の負担は非常に大きなものでした。
フォーム入力にしたことで、選手や監督が試合に集中しやすい環境を作ることが出来ました。
また、これまでのオーダー提出は、当日の公式練習中の50分間程度の間に提出しなければいけませんでした。
時間に遅れることは許されないので、各監督が時間になると列を作るようになり、密な状態となっていました。
今回のオーダー提出は、当日の6:00-8:50までの間に入力し、8:00-9:00に確認サイン完了としました。
7時30分頃までには、多くの高校が入力を済ませている状況で、運営側も準備やオーダー順のチェックに余裕を持つことが出来ました。
オーダーの入力ミスについても、その場で再度入力してもらうことで時間をかけずに訂正することが出来ます。
今年度の高知インターハイから導入されたシステムでしたが、インハイとの違いは各九州大会で持ちまわることを考えて選手名ではなく、登録番号での入力としました。
運営側もチーム側も慣れないシステムではあるものの、これまでの負担を軽減することが出来たと思います。
そして、一番大きな変化は、教員だけで大会運営をしなかったことです。
先日、ブログでも更新した長崎国際大学の選手達の協力を得ることをお知らせしました。
九州選抜長崎大会に向けて
長崎国際大学の選手たちは、ロービングアンパイアの役職だけでなく、進行や準備・片づけなども含めて大きな働きをしてくれました。
大学生の吸収力は素晴らしく、連日の疲労を見せることもなく、「考えて動く」ことが徹底されていました。
また、九州各県から長崎国際大学へ進学してきている学生にとっては、母校の先生方や地元の県の先生方へ、成長した姿を見せることが出来ていました。
これから社会人になる4年生も手伝ってくれていて、運営の中に入っていくことで組織とは何か、リーダーとして何が必要かを学ぶきっかけとなります。
もちろん、運営面だけでなく、選手としても活躍しているプレーヤーたちなので、高校生の熱い試合を目の当たりにして、自分たちのテニスの向上にもつながるはずです。
そして、大会終了後、大会で使用したセットボールをすべて大学生に提供しました。
長崎国際大学の徳吉監督には、大学生の貴重な活動時間を割きながら、大会サポートのために協力いただきました。
そして、同じく長崎国際大学の山高監督には、レフェリーを務めていただき、大会運営・進行・審判・総務などすべての分野で意見をいただきました。
教員だけでは気づかない部分や、手が回らない部分を常に先を見ながら指摘してもらっていたと思います。
そういった指導者に育てられている選手たちは非常に評判がよく、各県での様々な強化事業に呼ばれることが多いです。
今後、ますます長崎国際大学テニス部への進学希望者が増えてくるはずです。
大会を運営する側として、教員がやらなければいけないことを大学生に頼った部分も多くあります。
大学生のサポートは、どこの県でも出来ることではないと思います。
大学生のサポートを得ることが重要なのではなく、今後も教員での運営をしていく中で、重要なことは何かを考える必要があります。
今大会で感じたことは、「自分もしくは、自分たちだけでやる」から「人と一緒にやる」というマインドに変化していくことが必要だということです。
これまでの大会運営・やり方に固執し、伝統や歴史を重んじ過ぎることで、本来見るべきことを見逃してしまうことがあったと思います。
大学生のサポートや、山高レフェリーの存在に違和感を持った人がいたのも事実だと思います。
しかし、今回、長崎県高体連テニス専門部としては、大学生を「使った」感覚ではなく、「頼った」と思っています。
教員と大学生というコラボレーションは予想以上のモノを出すこともできました。
リーダーとしての考え方が非常に重要になってくると思いますが、人を頼ることに遠慮はいらないと思います。
頼る際には、相手の時間を奪っていることや相手への敬意と感謝を忘れずに、相手が喜んで時間をささげようと思えるくらいの関係を築くことが大切です。
大会終了後に、今大会委員長である安居院先生も謝罪ではなく、涙しながら「ありがとう」という感謝の気持ちを表現しました。
長崎国際大学の選手・指導者の皆さま、ありがとうございました!!
今後の大会も教員が主導しながら運営を行っていくことが必要です。
その時に、教員同士で頼り合う関係を築く必要があると思います。
頼ったり、頼られたりしながら大会を運営しているということを、専門部以外の先生方も含めた全ての教員で共通認識を持たなければいけません。
今後も続く大会運営に必要なことを学ぶことが出来た大会だったと思います。
そして、教員は「人を頼る」ことを生徒へ伝えていくことで、さらに良い循環がうまれるはずです。
大会が大きな事故や怪我もなく、終えることが出来たことは、多くの先生方が協力していただいたからこそです。
ありがとうございました!!
長崎開催という中で全国選抜出場権を獲得できたので、長崎を代表して全国選抜への準備をしていきたいと思います。
明日も応援よろしくお願いします!!