2つの小学生対象セミナーのお知らせ
二つのセミナーのお申込みは、現在も随時受付中です。
①「中学校を知ろう!」
3月に2回開催した小学生の皆さんを対象にした「中学校を知ろう」がたいへん好評につき、再開催が決定しました!
地元の中学校だけが、唯一の選択肢ではないのです。
将来の自分に有利な選択をするためにも、まずは「知る」ことが大切です。
小学生の皆さん、その保護者の皆様、本校ベテラン教員による本セミナーにお越しになりませんか?
お申し込みはこちらからどうぞ!
②「漢検に挑戦しよう」
本校の生徒と一緒に漢字検定に挑戦する小学生を募集します。
本セミナーのいずれかの回に参加されると、修了証を授与いたします。
この修了証を持っている方は、8月21日に本校で実施される漢字検定(実施時間は午後になる予定です)の受験をお申込みいただけます。
受験申込み方法については、セミナー内で説明させていただきます。
また、複数回受講も大歓迎です。
どの開催日も同様の流れで行いますが、扱う問題やミニテストの内容は毎回違うものを用意します。
また、最終回の7月12日(土)のみ、本番同様の60分の模擬漢字検定と自己採点を実施予定のため、90分のセミナーとなることをご了承ください。
せっかくの機会です。一緒にがんばってみませんか?
お申し込みはこちらからどうぞ!
それは語らず、佇むのみで
水の中に沈んでいた体が徐々に浮き上がっていく。浮く速度は増していき、あと少しで水面に到達するというところで私は一旦止まることにした。開ける目は左からだ。まず左目を開け、そして右目をゆっくり開ける。そこは海でもなく、見慣れた部屋のベッドの上だ。薄暗い中でも部屋の天井が・・・よし、見える。わずかに安堵しつつ私は起き上がった。
今年二月に生まれて初めて目をわずらい、二週間ほど右目が見えなくなった時期があった。目を開けているという感覚はあるのに、右目だけ覆いをかぶせられたように見えなかった。その頃のことは正直言ってよく覚えていない。とにかく「大変だった」ということしか残っていない。ただ、朝起きた時に視界の半分が真っ暗という感覚は、思ったよりも心にダメージを与えていた。そのせいか、未だに目覚める瞬間には身構える自分がいる。
それから身支度を整えて出勤。まだ今の時期の朝は日差しが強くない。過ごしやすくはあるが、何となく景色が灰色っぽくてうすぼんやりしている。見えなかった頃みたいでちょっと気持ちが下がる。
ふと視界の端に彩りを感じた。標識?看板?いや、ここは道端だ。だったら何なんだろう。目を向けるとそこには花があった。
待て、花?誰かが育てているのか?いや、ここは道端だ。人の手が入っているとは思えない。何度も言うがここは道端だ。どうしてこんなにしっかりと花が咲いているんだ?
一人考え込む私をよそに、花はただそこに在り、静かに風に合わせて揺れている。うーん、何というか・・・。私は、見ず知らずの方から丁寧な挨拶をされたような気持ちになっていくのを感じていた。何というか、朝から気分がいいな。霧が晴れるように視界に色彩が差し込んでくる。なるほど、「無かった」のではない。「見えていなかった」、いや「見ようとしていなかった」だけか。足取りも軽く海星中学に続く坂を上り、校門前にたどり着く。いつもならまっすぐ校舎に向かうのだが、その前に少しだけ足を前に進めてみた。
ふむ、間違いなく私は、彩り鮮やかで恵まれた環境に生きているな。