教師冥利に尽きる春


教師冥利に尽きる春 ~中学教頭が綴る、6年間のふり返りと教え子たちへのエール

本日のBlogは、前田中学教頭からのメッセージです。

 

 

本日、海星中学高等学校は無事に令和7年度の修了式を迎えます。

桜の蕾が膨らみ、柔らかな春の光が校舎を包むこの季節は、別れの寂しさと、新学年への期待が入り混じる、教員にとって一年で最も感慨深い節目です。

私にとって、この3月は特別な意味を持っていました。

6年前の春、私は海星高校から海星中学へと移りました。 いわば、この3月に卒業していった生徒たちと、私は「同期」として一緒にこの中学校舎に入ったのです。

学校で撮影した、かつての彼らの写真はマスク姿のものばかりでした。

 

今回このブログのために、入学式の写真をお願いしたら、入学式当日のはにかんだ、まだあどけない笑顔の写真を、全員がすぐに送ってくれたのです。

 

 

入学したての彼らは、まるで「ドラえもん」に出てくる元気いっぱいの小学生のようでした。

 

 

一人ひとりが個性に溢れ、「この子たちはこれからどんな風に成長していくのだろう」と胸を躍らせたのが、つい昨日のことのように思い出されます。

 

もちろん、平坦な道のりばかりではありませんでした。

幼さの残る彼らの指導には、正直なところ手を焼いた時期もありました。

未熟さゆえにぶつかり合い、思わず声を荒げてしまったこともあります。

厳しい言葉を投げかけた後、目にいっぱいの涙を浮かべ、今にも泣き出しそうな顔をしていた彼らの表情は、今でも私の目に焼き付いています。

それは、彼らが真剣に私と、そして自分自身と向き合おうとしていた証だったのだと、今なら分かります。

 

 

 

中学を卒業し、同じ敷地内の高校へ進学する時でさえ、私は一抹の寂しさを感じていました。

けれど、高校生になっても彼らは変わりませんでした。

廊下ですれ違うとき、ふと校舎の窓越しに目が合うとき。

照れくさそうに手を振ってくれたり、「先生!」と駆け寄って近況を報告してくれたり。

その成長を感じるたびに、教師としての誇らしさと、言葉にできない喜びを感じていました。

少しずつ大人びていく彼らの横顔を見ることが、私にとっての日常の糧となっていたのです。

 

 

そして今月、彼らは逞しく、立派な背中を見せてこの学び舎を去っていきました。

 

 

彼らと共に歩んだ6年間は、私にとって宝物のような時間です。

教える立場でありながら、私の方が彼らから「信じること」や「成長する喜び」を教わっていたのかもしれません。

まさに「教師冥利に尽きる」…その一言に尽きます。

 

 

そして、今、共に過ごしている在校生の皆さんへ

海星中学出身の高校生の皆さん

君たちが中学を卒業して高校の校舎へ移ったあとも、私は君たちの背中をずっと見てきました。

すれ違うたびに挨拶を交わし、部活動や行事で中心となって活躍する姿を見るのは、中学時代の君たちを知っている私にとって、この上ない幸せでした。

卒業していった先輩たちがそうであったように、君たちもまた、海星の良き伝統を後輩たちに示してくれています。

 

 

そして中学生の皆さん

君たちが見送った先輩たちの姿は、数年後の君たち自身の姿でもあります。

今はまだ、自分の進むべき道に迷ったり、時には立ち止まったりすることもあるでしょう。

けれど、それでいいのです。

あの立派に卒業していった先輩たちも、中学時代は君たちと同じように悩み、涙し、一つひとつ壁を乗り越えてきました。

海星中学で積み重ねる時間は、いつか君たちが大きな壁にぶつかったとき、自分を支えてくれる「心の根っこ」を育てる時間です

友と笑い、学び、時には先生に叱られる……そのすべてが、未来を切り拓く力になります。

 

 

先輩たちが残してくれた「海星の伝統」のバトンは、今、確実に君たちの手に渡されました。

次は君たちが、誰かの憧れとなるような、逞しい背中を見せてくれる番です。

その成長を見守っていくことを、私は何よりの楽しみにしています。

季節は巡り、また新しい出会いがやってきます。 別れがあるからこそ、私たちはまた一歩、強く前へ進めるのでしょう。

 

 

以上、前田教頭からのメッセージでした。

今年度の中学Blogは本日が最後となります。

一年間、本校の教育活動を温かく見守り、Blogを読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。

来年度も、生徒たちの輝く姿をお届けできることを楽しみにしております。

どうぞ、良き春をお迎えください。