最近、「闇バイト」のニュースを見たり、聞いたりします。他人の家に押し入り、住人に暴行を加えて金品を奪うというひどいものです。
短時間で大金が手に入るという言葉に惹かれ、応募するのでしょう。しかし、応募することで、自分の個人情報を「指示役」に渡すことになり、怪しいと気づいて抜け出そうとしても、個人情報を元に脅され、仕方なく「実行役」として犯罪に手をそめることになるのです。
数日前、テレビを付けるとちょうど闇バイトのニュースでした。
逮捕されたのは、夫と子どもがいて、子どもの送り迎えをする「ふつうのお母さん」でした。このお母さんが暴行を加えて金品を奪ったわけではありません。
役割は、物をA地点からB地点まで運ぶ、いわゆる「運び屋」です。物を運ぶだけという部分のみを切り取れば、別に悪いことをしたわけではありませんが、強盗による金品を運んだことで罪に問われることになったのです。
また、11月6日の朝、通勤中のラジオで、熊本県の高校生が闇バイトで逮捕されたニュースを聞きました。
情報化社会の中で、便利になって良くなった面もたくさんありますが、危険な面がすぐそこに迫っているということを考えさせられました。
私たちはまず被害者の方のことを考えます。けがは大丈夫か、盗られたものはないのか。しかし、一方で加害者の家族のことも気になります。お母さんがいなくなってしまった子どもはどんなに心細いでしょう。自分の子供が罪を犯したお父さんの気持ちは、お母さんの気持ちはどんなものでしょう。あるいは仲のいい兄弟が、ある日突然犯罪者になってしまったら・・・。
誘惑や軽はずみな行動により、自身が多くのものを失う可能性があります。しかも苦しむのは自分だけではありません。
簡単に大金を稼ぐのは難しいと思います。しかし、他人の物を盗んだり、奪ったり、騙したりして手に入れることは決してあってはいけません。
今、中学生のみなさんに望むことは、将来、独り立ちして、生きていくことができるようになることです。
そのためには、しっかり勉強しておくこと、礼儀や挨拶、返事等、人間性を身につけること、健康な身体をつくることが大切です。
友人が危ないほうに誘惑されそうになったら、止めてあげられる友情を持つことも大切です。
大切なものを守っていける学校生活を送ってほしいと願います。