くちなしの香る朝に


 

 

真剣なまなざしに、エールを。

本日は定期考査3日目。

すでに、うまくいった教科、手ごたえが今ひとつだった教科――

そんな話を交わしながらも、生徒たちは今日、迎えるべき大切なテストに向けて気持ちを切り替えています。

あと10分で「5分前着席」。

この静かな10分間、教室へと向かう足どりも、机に向かう背中も、どの表情も真剣そのものです。

その姿を見るたび、心から応援したくなります。

うまくいく日ばかりではないけれど、今この瞬間に向かい合うその姿勢こそ、何よりも尊いものだと思います。

今日も一歩ずつ、自分の力を出し切れますように。

 

 

先週の木曜日、たまたま考査前の自学を終えた生徒と行き交いました。

「わぁー、まだこんなに明るいー」と言いながら下校(※完全下校18:00)。

(たしかに。グラウンドの縁に咲く紫陽花も、幽玄な佇まいを見せています…)

 

 

驟雨のあとに、くちなしの香り

急に空が暗くなり、激しい音を立てて雨が降り出す――先日の驟雨は、まさにそんな雨でした。勢いを増したり弱まったりを繰り返しながら、空の気まぐれをそのまま映すような一日でしたね。窓の外は淡い霧に包まれ、遠くの景色はぼんやりと霞んでいます。

長崎県内では、本日25日昼すぎにかけて、局地的に激しい雨の恐れがあるとの予報が出ています。登下校の際には、足元や周囲に十分注意し、土砂災害などにも警戒してください。

 

そんな落ち着かない空模様の中で、お休みの日に、ふと香りに誘われてくちなしの花を買いました。香りからその花を特定できたとき、少しだけ自分の輪郭を取り戻したような、そんな心持ちになりました。

 

強い香りに誘われ、思わず花の名を確かめた…そんなふうに、薫りを手がかりに何かを見つけるという行為は、少しだけ「自分を見失わないように」という祈りに似ています。

くちなしの花言葉の一つに、「私は幸せ者」があるそうです。ふと立ち止まり、「幸せって何だろう?」と考えさせられました。それは、誰かと語らう時間だったり、行き交う挨拶だったり?あるいは、心のどこかで「今」を大切に思う気持ちなのかもしれません。

皆さんは香りで自分を思い出すような瞬間はありますか?



今この時間、まっすぐに問題と向き合うまなざしには、確かな「強さ」と「美しさ」が宿っています。

教室へ向かう背中、ノートを見つめる横顔、窓の外に目をやる一瞬。

そのどれもが静かに輝いて見える、そんな朝があります。

窓の外は、今朝も霧に包まれています。

一歩先はまだはっきりとは見えないけれど、今、自分の足元にある問いと向き合うその姿こそが、きっと未来につながるのだと思います。

くちなしの香りとともに、今日も静かに応援しています。

 

※写真は定期考査直前の試験勉強風景、校舎内の様子。