錦秋に咲く、ふたりの笑顔


10月22日(水曜)、今朝の気温は17℃。 「朝夕は冷えますね」と先生方の間で交わされる挨拶の中に、すっかり秋の気配が混じるようになりました。

先週の卒業アルバム撮影では、まぶしい光の中で空を見上げていた生徒たち。吹き抜ける風に「わっ、涼しい」と思わず声がこぼれ、そろそろ中間服への移行も近い頃です。

(卒業アルバムを開く、最初の1ページ。78回生の集合写真はドローン撮影で今年もバッチリ!)

 

そんな秋風の中、昨日、日本の政治史に新たな一ページが加わりました。女性として初の第104代内閣総理大臣が誕生したのです。新しい時代の幕開けを感じるこの日、本校でも未来へ向かって輝く女子生徒たちを今日はご紹介します。



一人は、学園祭ポスターを描き上げた3年生の樋口さん。去年は友達との合作でしたが、今回は一人での制作となりました。



テーマ「Connections Bring Smile ― 繋がりは笑顔をもたらす」から着想を得て、インスピレーションの色は“黄色”。

きらめく光の帯が人と人とを結び、錦秋の季節に笑顔が咲く様子を描きました。

 



タブレット上で描き上げたポスター。わずか一日で完成させたとは思えないほど、細部には温もりがあり、 「当日、たくさんの人の笑顔に包まれた学園祭になりますように」という願いが込められています。

 

 

もう一人は、長崎くんちで「詩舞」として舞台に立った3年生の堀切さん。

 

幼いころに“町民”としてお供に加わる、いわゆる“お稚児さん”として「汐汲み」(しおくみ)の役割を担ったことはあるものの、人前で踊りを披露するという経験は初めてとのこと。

歌の中に富士山や鶴、亀などが登場する「祝賀の歌」や、新大工町とゆかりのある春日大社から見える月を金色の扇子で表現する「天の原」。この和歌に節をつけ踊りを披露する演し物の一つ「詩舞」に挑戦しました。

 

 

「舞人」10人のうち8人が初めての舞台。「誰一人欠けても迷惑をかけてしまう」との思いから体調管理にも気を配り、受験を控える中でも学業との両立に努めたと話す堀切さん。生の演技を間近で見ていたブログ担当である私も、その真摯な姿勢が舞の一つひとつに息づいている様子を体感しました。

 

詩吟に合わせて舞うその姿は、呼吸を合わせ、心を重ねる“つながり”そのもの。

「これほど多くの人の前で披露する経験は一生に一度。自信につながりました」と語る彼女の瞳には、確かな成長の光が宿っていました。



日本一の詩吟を背に舞えるという貴重な経験の中で、声と動きが重なり合い“ずれがなくなっていく”瞬間に感じた一体感は、まさに“Connections”の力を象徴しています。

 

それぞれの舞台で光を放つふたりの姿は、テーマに込められた思いそのものです。仲間と協力し、声を合わせ、笑顔を交わしながら生まれる“つながり”が、この秋、海星学園全体をやさしく照らしています。

 

まもなく始まる学園祭。

“Connections Bring Smile!” の言葉どおり、たくさんの笑顔があふれる、あたたかな時間になりますように。

 

 

※写真は卒業アルバム写真撮影、学園祭ポスター制作をした生徒、長崎くんちに参加した生徒