
(中央館エントランスロビー内に飾られたシクラメンの花)
師走日和に、ことばは走る
今朝の気温は7℃。二十四節気では「大雪」を過ぎ、立ち止まっていると寒さがじんわりと身に染みてきます。つい先日まで「暑い、暑い」と言って一年を振り返っていたはずなのに、12月に入った途端、「寒い」が日常語になりました。「四季ではなく二季」と言われるのも、うなずけます。

(美術の授業の一コマ、目下デッサン中)
それでも、朝晩の冷え込みとは裏腹に、日中はおだやかに晴れる日が続いています。
師走の晴れた穏やかな天気は「師走日和(しわすびより)」と呼ばれ、忙しさと寒さが重なるこの時季に訪れる、ありがたい晴れ間を指す言葉だそうです。月名がつく「〇〇日和」は、実はこの「師走日和」だけ。残り少ない今年を、少し深呼吸しながら進めそうな朝でした。

2025流行語大賞、あなたが審査員ならどれを選ぶ?!
さて、第4回定期考査が終わりました。テスト返却後の残り時間を使って、ブログ担当者が受け持つクラスで、こんな取り組みを行いました。
題して、「2025流行語大賞、あなたが審査員ならどれを選ぶ?!」
トップ10にノミネートされた流行語から一つを選び、300〜500字で講評を書く課題です。あわせて「2026年にノミネートされそうな流行語」も自由に考えてもらいました。

書く活動と聞いて一瞬、表情が曇った生徒たちも、趣旨が伝わると一転、隣の席と意見を交わしながら、「それなら書ける」と、次々にペンを走らせていました。


まずはじめに、「2026年の新語・流行語」に目を通しました。今年を象徴するキーワードがはっきり浮かび上がります。多く挙がったのは、スポーツに関する言葉。「WBC」「大谷」という名前と出来事の重なり、そして来年への期待を込めて「ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック」を挙げた生徒も少なくありませんでした。一年のニュースを、自分の関心と結びつけて振り返っている様子が伝わってきます。

一方で、高校生らしい感性が光ったのが、「苦労キャンセル」「メロい」「エモい」「AI化」といった言葉。中には、こんな表現で2026年の新語を予想した生徒もいました。(もうすでにSNSではノミネートされているとのこと)
「〝メロくて、エモくて、気づけば尊い〟感情が追いつかない感じを、もう全部ひっくるめて言いたい時代が来ると思います!
言葉のニュアンスを比べたり、組み合わせて文を作ったり。生成AIを使って新語を考えることも可としたことで、教室には自然と会話と笑顔が生まれていました。
つづいて、本題に戻ります。
2025年「T&D保険グループ 新語・流行語大賞」で選出された10語のうち、年間大賞には「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」が選ばれましたが…

3クラス分の票を集計した結果、一票差で1位を獲得したのは「エッホエッホ」。
「なんといっても語感がいい」「よくわからないが、伝えなきゃと思うとき、角が立たないように配慮していうと、口ずさんでいる自分が一番なごんだ」「メンフクロウの必死さ、かわいすぎ」などのコメントが講評用紙に書かれていました。
年間対象を制覇した首相の言葉「働いて~」の講評には、「あんなにも力強く発言されるとやるしかないな」と受験生の一人。「人を活かし自分を伸ばす、信念と覚悟を感じた唯一の言葉」と力強いコメントも。「古古古米」を選んだ生徒は、「新米の味を知ってしまった自分の舌が、果たして古古古米を受け入れられるかな?と思い、実際にスーパーに朝早くから並んで購入しました、その並んで購入した景色を思い出して、選びました」とコメント。「最初はマイナスイメージから始まったキャラクターが、由来である〝脈々〟と受け継がれてきた人間のDNAや知識、歴史、文化を未来に受け継ぐというメッセージが伝わったことで、プラスに転じたキャラクター、ミャクミャクを選びました」、とこれは2年生の生徒。

テスト返却後とは思えないほど、どの文章にも「今年をどう見ていたのか」「何が心に残ったのか」がはっきりと表れていました。
昨日の放課後、審査用紙を仕分けと票を数える選出のお手伝いをしてくれた生徒たち。


♪エッホエッホ、
一票差で1位になったって伝えなきゃ。
♬エッホエッホ、
今、受験勉強を頑張ってる生徒がいるって伝えなきゃ。
(^^♪エッホエッホ、
それぞれの場所で走ってるみんなを、応援しているって伝えなきゃ。

ことばは、今日もどこかへ向かって走っています。
※写真は、授業風景の一コマの様子

