氷雨の季節に、学びはひらく


一瞬の晴れ間に、そして広がる一日へ

今朝の気温は10℃。雲の多い空が広がっています。吐く息が白くなるほどの冷え込みが続いています。

七十二候では、先週から「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」。天地の気が塞がれ、いよいよ真冬が訪れる頃とされています。この時季に降る冷たい雨は「氷雨」と呼ばれ、今朝の空気にも、季節が一段深まったことを感じさせます。

ここで少し、時間をさかのぼります。11日(木曜)の放課後、卒業アルバムに掲載するクラス写真の撮影が行われました。

天候が不安定な日が続く中でしたが、その日は一瞬、空が明るむ時間があり、その晴れ間を逃さず校外での撮影を無事に終えることができました。

全員がそろい、予定通りに撮り終えられたことに、ブログ担当者としても安堵した場面です。

卒業アルバム用の写真撮影も、いよいよ佳境に入っています。放課後の時間を使って行われた校外での撮影に、研修旅行に出かけているような弾んだ声と笑顔が広がっていました。

 

フランスからの来校生徒と、平和への一歩

15日(月曜)、フランス・ヌヴェール校からの交換留学生が来校してくれました。ヌヴェール校は、南フランス・モンペリエにある高校です。掲載している写真は、昨日16日、来校2日目の様子です。

午後から、ホスト生徒がヌヴェール校の生徒を原爆資料館へ案内するため、学校を出ようとしたその時、中央館エントランス入口前で出会いました。そこで記念に一枚撮影📸。写真の中には、トリコロールカラーの折り鶴づくりに参加した生徒の姿もあります。ホスト生徒の一人として、平和への祈りを込めた折り鶴を手に、資料館へと向かいました。

異なる文化や言語を越え、同じ場所で同じ時間を過ごすこと。その一つひとつの行動が、互いを理解する大切な学びの場となっています。

 

地域とつながる「きずなプロジェクト」(地域の輪きずなプロジェクト」HP記事15日アップはこちら

こうした『人と人が出会い、つながる』時間は、校内だけにとどまりません。先週14日(日曜)には、地域と学園を結ぶイベント「きずなプロジェクト」が開催されました。

このプロジェクトは、海星学園の施設や、高校生という身近な指導者の存在といった既存の環境を地域に開放し、地域住民との触れ合いを通して、地域と共に成長する学園の姿を実現することを目的としています。スポーツ活動を軸に、多様な人・モノの『つながり』を生み出し、地域課題の解決や新たな社会づくりにつなげていく取り組みです。

(朝からスタッフとして集まった運動部の生徒たち)

 

地域の子どもたちは、費用や施設面での負担を抑えながら、高校生という年齢の近い指導者から、複数のスポーツを体験しました。将来につながる運動能力の土台を築くと同時に、高校生側にとっても大きな学びの機会となりました。

 

放送部がつくった、もう一つの『つながり』

今回の「きずなプロジェクト」では、スポーツだけでなく、放送部による新たな試みも行われました。学園祭でも行っている公開ラジオを、「きずプロ」イベントにあわせて小学生たちを出迎えるレクリエーション企画です。

企画を立てたのは、高校1年生と中学1年生の放送部員。スポーツの合間に、約10分間の枠で、子どもたちが気軽に参加できる時間をつくろうと考えました。用意されたのは『早口言葉』への挑戦。うまく言えたお子さんには、放送部では必須アイテムである「取材メモ帳」をプレゼントしました。

高校生が『教える側』に立つことで、相手の目線に合わせた声掛けや、表情・行動から気持ちをくみ取る力が自然と求められます。今回の放送部の取り組みも、まさにその実践の場でした。言葉を選び、間をとり、相手の反応を見ながら進める——その一つひとつが、共感力やコミュニケーション能力を養う経験となっています。

(指導者のひとり、野球部の生徒にもスポーツの入れ替えの時にゲストとして「海星電波」に出演してもらいました。)

(イベント終了後、「きずなプロジェクト」主催運営の東口先生にインタビュー挑戦した放送部1年生)

 

氷雨の季節を迎えても、学びは校内にとどまらず、人と人を結びながら、確かに外へとひらいています。

※写真は「卒業アルバム撮影」、「フランスからの来校生徒」、「きずなプロジェクト」の様子