3月4日(水曜)、今朝の気温は8度。
冷たい空気の中にも、春の気配が感じられる朝です。
明日5日は啓蟄。冬ごもりしていた虫たちが、春に誘われて地上へ姿を現す頃とされています。二十四節気七十二候では「草木萠動(そうもくめばえいずる)」。草木が芽吹き、新しい命が静かに動き出す季節を迎えています。
さて、今朝のスポーツニュースで耳にしたのが、印象的なこの話題です。
侍ジャパンの試合で注目を集めた「お茶点てポーズ」。お茶を「点てる」という言葉に、得点の「点」を重ね、「みんなで点数を積み重ねていこう」という思いを、日本の伝統文化に託したパフォーマンスだったといいます。
そこには、「世界と戦うからこそ、日本の文化で挑みたい」という考えがあり、大谷翔平選手の“むちゃぶり”をきっかけに、正しいお茶の飲み方まで話題になりました。
明日開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。世界へ向けて、日本の文化が静かに、しかし確かに存在感を放っています。
そんな話題に重ねて、今回はこの春卒業した本校茶道部の生徒をご紹介します。お茶と向き合い、日々の稽古を重ねてきた時間の中にある思いをお伝えします。
卒業の4日前、静かな引き継ぎの時間

卒業式を4日後に控えた放課後。茶道部では、3年生による最後のお点前が行われました。
顧問の先生から「お茶を飲みに来られませんか?」と声をかけられ茶道部室へ。
ブログ担当者でもあり、茶道部部長の担任でもあった私は、最後のお点前を取材する機会を得ました。

客としてその席に招かれた私は、次客の生徒とともに高校生活最後のお点前を見守りました。

一つひとつの所作に心を込め、相手を思い、場を整える姿。そこには、千利休の言葉として伝えられる「和敬静寂」が、自然と息づいていました。
勝ち負けや結果を競う世界とは違い、茶の湯は、相手と向き合い、今この瞬間を大切にする文化です。しかし、どちらにも共通していることは、積み重ねた時間がその人の立ち姿に表れるということなのかもしれません。



(取材のため、このアングルからの写真撮影になっています。実際はお菓子をいただいた後に、お茶を一服いただくことになっています)
静かな所作。
湯の立つ音。
張りつめた空気の中で、そっと差し出される一服。
言葉は多くありませんが、その場には、これまで積み重ねてきた時間が確かに流れていました。

(お点前を無事に終わることができた濵口さん。指導者の古川先生からお褒めの言葉をいただきました。)
部長の濵口さんから後輩たちへ、一通の手紙が手渡されました。
「作法を通して、慣れないこともあるかもしれません。でも、みんなならきっと大丈夫。自分たちらしい茶道部を作り上げていってください。茶道部で過ごした時間が、かけがえのない思い出になることを願っています。」

(中高茶道部のみなさんで記念撮影)
送り出す人と、受け取る人。
卒業は、華やかな式典の中だけでなく、
こうした静かな時間の中でも、確かに次へと受け継がれていきます。
今日は、卒業式そのものではなく、
卒業式前日の、ほんのひとこまをお届けしました。
来週水曜日には、「卒業式 第二弾」として、式当日の様子もあらためてご紹介する予定です。
最後に、今回の話題にそっと寄り添う一冊をご紹介します。
『日日是好日』(著:森下典子)
茶道を通して、「うまくいく日も、うまくいかない日も、すべてがかけがえのない一日であること」を静かに教えてくれるエッセイです。
今週7日(土曜)には、海星中学校の卒業式を迎えます。卒業という節目に、世代を問わず手に取っていただきたい一冊です。
「高校生が見た長崎くんち」展、現在公開中です
今年で3度目となる「高校生が見た長崎くんち」展が、長崎県庁で開催されています。本校放送部の制作した映像も上映されていますので、お時間の都合がつきましたらどうぞご鑑賞ください。


