それぞれの年度末


※海星ホームページTopには、様々なカテゴリがあります。詳細な行事予定につきましては、Topページ『月間行事予定表』からお入り下さい。

■マリア会姉妹校HP紹介

1888年(明治21年) 暁星学園創立 東京

1892年(明治25年) 海星学園創立 長崎

1898年(明治31年) 明星学園創立 大阪

1946年(昭和21年) 光星学園創立 北海道

 

◆吹奏楽部

第4回定期演奏会 日時:3月19日(日曜) 13時開場・13時30分開演  会場:長崎大学 文教キャンパス中部講堂

※ 当日、会場には駐車場がございませんので、近隣駐車場のご利用、もしくは公共交通機関にてお越し下さい。

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風が強い朝。気温は9℃。

今朝、長崎港に停泊している客船頭上に、沈みかけているお月様が朝最後の輝いています。うっすら明るくなって来ている空と船の光がマッチングして何とも幻想的です。

通学途中、思わず立ち止まって見とれていると、地域の方も数名足を止められました。しばらく一緒に眺め「おはようございます。綺麗ですね。」と、口々に交わし別れました。

私たち一人一人の心の持ち方で同じ光景も見方や感じ方は異なりますが、同じ光景を同じ気持ちで同じ時に共有できたことに喜びを感じました。

 

 

明日は第3学期終業式。

 

年度末、終わってしまえば何でもあっという間です。来週20日(月曜・祝)は春分。

立春、雨水、啓蟄、そして春分。二十四節気も立春から数えて四番目。この後は、清明、穀雨、立夏と続く。

季節は巡り、皆それぞれに大きな成長を遂げていきます。

 

 

12日(日曜)柔道部は、鶴洋高校武道場にて合同練習会に参加しました。関係者の皆様ありがとうございました。

そこに稽古をつけに来てくれた卒業生。西川監督は「卒業して早速稽古をつけに来てくれた69回生に、後輩に対する情熱と頼もしさを感じました。」と、喜びました。

 

 

そして鶴洋高校から少し南に行った蚊焼町。ここは刃物生産で長崎有数の場所です。

その蚊焼町で同日、生物部は活動しました。

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世界各地を見ても、刃物生産が行われる場所には小川が流れています。その関係性は別の機会に触れさせていただくとして、今回の生物部目的は、『カスミサンショウウオの繁殖地生息状況調査』と『飼育してきたカスミサンショウウオの幼体の放流』です。

 

 

昨年のこの時期、私たち生物部は蚊焼町でカスミサンショウウオの繁殖地を発見しました。生息状況を調査するために産卵期を見計らって日曜日に現地へ向かいました。

 

川の水温も良く、景観も抜群の場所ですが到着すると、そこはたくさんのカスミサンショウウオの卵と一緒に心ない方によって捨てられたゴミが水場に散乱していたのです。

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写真にある校章のすぐ上にサンショウウオ卵塊があります。そのすぐ側にペットボトルや弁当の容器が捨てられていました。

 

『生息地の清掃』をしなければ、生息状況の調査どころではありませんでした。まずは部員全員で卵を踏んでしまわないように慎重に一つ一つのゴミを回収していきました。

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自分たちの研究だけでなく、この1年で部員の多くが環境に対して意識が変わりました。

 

「弓道部が長崎大学と合同で行った福田地区沿岸清掃(ながさき海援隊)活動にも、大きな触発を受けました。子供達に理科や生物を教える過程でも、必ずと言って当たる壁は『環境問題』なんです。」

「バラの栽培もそうなんですが、すぐに結果を求めず目前の1日1日を根気強く取り組んで環境美化に努めたいです。」

「なぜゴミが出るのか。環境汚染や環境破壊が起こるのか。根源的なことの追求にも取り組まなければと最近は思っています。」
清掃活動の結果、約50m程度の水場にペットボトル33個、アルミ缶25個、不燃物5個のゴミを回収しました。
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清掃後にその水場に産み落とされた卵塊の数を調査した結果、42房もの卵塊が確認できました。

 

カスミサンショウウオは1匹が一度に2房の卵塊を産卵するため、少なくとも21回の産卵が行われたことが分かります。

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長崎県絶滅危惧二種に分類されているカスミサンショウウオの卵塊がこれだけ多く産卵される場所は多くはありません。希少生物にとって重要な場所が、知らない間、今まさに破壊されていることを痛感させられました。

 

 

その後、綺麗になった水場に、私たち生物部が一年間、大切に育ててきたカスミサンショウウオを放流する時がきました。

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部長 河村君が皆を代表して放流しました。

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産卵できる成体になるまで、あと一・二年。大自然の中で、生き残る願いを込めました。

 

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今年も卵塊を一房部室に持ち帰って、一年間大切に研究・飼育し放流したいと考えています。

昨年の研究は、長崎県下高等学校自然科学部が一堂に会する『第22回科学研究発表大会』で発表し、生態や環境など、私たちなりに手応えをつかむことができた同大会。

 

 

私たちの研究は地味かもしれません。

私たちの活動はやってもやらなくても、誰も困る人はいないかもしれません。

 

それでも私たちはまた来年もこの場所に来て同じことをします。生物部として活動していく中で、保護の対象になっている生物たちが生息する環境を保全する活動も続けます。

 

次年度も生物部活動が、少しでも多くの方々に届き、環境に関して一緒に考える機会を提供できるように頑張ります。

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今年もカスミサンショウウオ保護のために活動を継続します。

 

「一年を通じて、皆大きく成長してくれています。」 生物部顧問 美明教諭。

 

※写真は、柔道部・生物部。