今度は先生として


 

早朝、校門から校舎へと歩いていくと様々な音が聞こえます。

 

ボールを蹴る音、体育館の床をシューズがこする音、道場を踏みしめる力強い音。気合いを込めた声、仲間への掛け声。時間が経てば、さらに朝の光景はさらに活気づいていきます。

 

高総体間近。早朝練習に励む部活動生の皆さんの上には今朝も青空が広がります。気温は20℃。

 

教育実習生の挑戦

 

さて、卒業生を教育実習生として迎えることは母校にとって大きな喜びです。今年も教育実習の季節を迎え、母校に戻ったのは第71回生卒業生。2名の実習生がやってきました。

 

先週の月曜日から実習は既に始まっています。「先生」としての1週間が経過したお二人にお話を聞きました。

 

Q 母校に戻ってきての第一印象はどうでしたか?

「私たちが学生の時とは違い、タブレットを全員持参していることに驚きました。先生方の授業を見学させていただくと様々なICTを活用をした授業を拝見させていただくことができました。ぜひ、私も活用しようと考え、動画や画像を使った授業にも取り組みました。」

 

Q 授業初日の感想を教えてください。

「初めての授業で不安な気持ちもあったのですが、生徒の皆さんが集中して授業を聴いてくれたので、ほっとする反面、気が引き締まりました。初授業の反省も踏まえて授業準備をもっと念入りにしよう、生徒の意見を引き出すためにもっと良い発問を心がけようと思いました。」

 

 

Q 後輩に向けて先輩(OB)という立場から伝えたいことは何ですか?

「実際に生徒の皆さんに話したことになりますが、現状維持に満足せず、高みを目指して切磋琢磨してほしいということです。私は高校時代に野球部に所属していました。うまくいった今日の自分を認めたうえで、次にどうすればもっと良い動きができるかを考える重要性や、常に先のことを考えて行動する大切さを監督から教わりました。これをもっと多くの皆さんに伝えたいです。」

 

仲間とともに部活動に汗を流した高校生時代。経験の中で学び、大学生活の中で価値を実感した力について話をしてくれました。

 

 

「私は硬式テニス部に所属していました。文武両道を心がけてはいましたが、自分が好きなことに没頭しがちだった私に、自分の得意ではない分野も学ぶことによって、『知らないことを知る』喜びがあることを、当時の担任の先生から教わりました。その学びを、在校生の皆さんにも話すことができて嬉しかったです。」

 

『知らないことを知る』。勉強や部活動に取り組む中での学びは生涯にわたって活きる学びとなり、この実習の中でも活かされています。積極的に他の先生方の授業を見学し、学びを深めていこうとする姿勢には感服します。

 

 

教育実習期間は、出来ることより出来ないことが多く感じる期間かもしれません。また座学で学んだことを、どのように実践していくかが問われる期間でもあります。

 

Q 実習中、一番大変だったことは何ですか?

2人とも口を揃えてこう言いました。

「生徒の皆さんから意見を引き出すことです。知識としては知っていましたが、生徒の皆さんからの主体的な発言を得られるためには、私たち授業者が教材研究に努め、双方向的で魅力的な授業を行わなければならないと実感しました。」

 

「残りの実習期間を充実させて、互いに頑張ろう」と、インタビューの最後にポーズを決めてくれました。

 

 

教育実習生だから伝えることが出来ることもたくさんあります。後輩と過ごす教育実習期間、互いに大きく成長していきましょう。

※写真は教育実習生の様子。