ありたい長崎県へ


 

風は南南東。「黒南風」というほどの雲の厚さはありませんが、湿った空気をまとった風が吹く朝。気温は22℃。

 

高校2年生 探究学習

さて、5月より始まった高校2年生探究学習ですが、その後も様々な企業様よりお話をいただき、学びを深めています。

 

5月27日(金曜)には、現在SDGsの達成に向けて積極的に取り組んでおられる九州教具の代表を務める船橋修一様によるご講演をいただきました。船橋様におかれましては、お忙しい中、ご講演いただきありがとうございました。

 

 

九州教具様は、「今を生きる私たちはどう社会に貢献するべきか」という考えのもとSDGsの達成に向けて取り組まれています。

 

その活動が評価され、全国の地方新聞と共同通信が地域活性化の取り組みを表彰する「第12回地域再生大賞」にて、特別賞の「SDGs企業賞」を獲得されています。

 

生徒と目線を合わせながら熱く具体的な企業の取り組みと意義についてお話しくださいました。地域の持続と発展に向けた様々な取り組みを聴くことができた有意義な時間となりました。

 

 

そして迎えた6月13日(金曜)、今回は3回目となる講演会です。

 

「ありたい長崎」を作るのは皆さんです

 

3回目にお迎えした講師の方は、シンクながさき(公共財団法人 ながさき地域政策研究所)所長を務められている鶴田貴明様です。お忙しい中、ご講演いただきありがとうございました。

 

SDGsを達成する一環としての「ありたい長崎」について探究活動をすすめるうえで「どうテーマを設定するか」というお話をいただきました。

 

「ひとりでできることから世界で全体でできることはつながっています。まずは身の周りや地域社会に関心を持ってみましょう。そして大事なのは、是非一部ではなく全体を見てテーマ設定をしてほしいです。」

 

 

スクリーンに映し出された「氷山モデル」

 

「私たちに普段見えているものではなく、普段見えていない部分まで見て考えて欲しいということです。そのため必要なのが見えない部分を『探究』しようとする視点です。それによって物事の本質が見えてくるはずです。」

 

 

「チャンスがピンチになることもあるし、ピンチがチャンスになることもあります。見えているものが全てではありません。自分の目で新たなものを発見する視点、発想を変えることが必要となります。」

 

人口の減少や人口流出といった長崎県が抱える問題や可能性。「世界と長崎」「現在」「可能性」といったキーワードを挙げ、具体的な事例を取り上げながら丁寧にお話しくださいました。

 

 

たとえば、長崎県の人口流出は2年連続ワースト2位という結果が出ています。特に若い人の減少が顕著です。「ものが売れない」「働き手の不足」「コミュニティの衰退」など様々な影響があります。

 

ただ、現在はインターネット技術の進歩によってどこででも仕事ができる時代になり、企業はオフィスを減らしたり、自宅や地方にいながら仕事ができるようになりました。「ワーケーション」という観光をしながら仕事をするという発想も生まれる時代です。

長崎県は「都道府県魅力度ランキング2021」では8位と魅力の宝庫です。マーケティングやブランディングなどを考え、「観光地」という認知が世界にも広がれば、可能性が広がっていきます。

 

長崎県の中だけの視点ではなく、社会の動きや世界の動きなどを含めた現在の可能性やこれからの可能性。生徒の皆さんはじっと話に聴き入りました。

 

 

「発想を変えるためには「外部環境(長崎をとりまく社会全体)」と「内部環境(長崎のこと)」の両方の目の意識が必要です。良い意味で常識を疑ってください。できないと思っていることでも、工夫次第では実現できます。大きく、グローバルに考えることも時には必要です。」

 

 

「『ありたい長崎県』を作るのは皆さんです。ぜひ、頑張ってください。」

 

「未来を生きる力」を身に着けるための探究学習。SDGs、そして郷土である長崎の未来を考える取り組みは続いていきます。

※写真は講話の様子。