「さかのうえん」から考える探究学習



■近年の進路実績

 

2月3日(金曜)、本日は「節分」です。

 

豆をまいて家から邪気を追い出し、幸せがやってくることを願う日本の伝統行事ですが、本来、季節の節目である「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日のことを指す日です。漢字の通り「季節の分かれ目」「季節の変わり目」という意味です。

その中でも旧暦の1年の始まりである春の節分だけが重要視され、今に至ります。

 

まだまだ、寒さ厳しい日が続きますが、明日は『立春』。暦から春の気配を感じます。

 

高校2年生探究学習「さかのうえん」

 

さて、JTB長崎支店様・長崎新聞社様をはじめ、長崎県内の各種企業の皆様のご協力のもと探究活動に取り組む高校2年生の皆さん。2学期より各生徒が自らが取り組むべきテーマについて考え、活動を進めていきます。(海星ブログ「ハテナソン」)

 

 

「長崎居留地まちづくり事業」「認知症支援活動」「ピースボランティア」「ボランティアチャレンジ」「世界遺産×SDGsチャレンジ」「オランダ坂除草活動」「ホタルの保護活動」「『さかのうえん』での植物栽培」など大きなテーマでグループに分かれ、具体的なテーマを決めていきます。

今回はその中でも「『さかのうえん』での植物栽培」のグループの活動のご紹介です。

 

「さかのうえん」から考える探究学習

 

海星学園から坂を上った中新町。

1月27日(金曜)、斜面地域に広がる畑「さかのうえん」で、生徒に向けてお話をしてくださったのは、長崎市景観課の平山様です。貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございました。

 

「さかのうえん」とは、放置された空き地問題を改善すべく、地域の方々と協力して利用されている場所です。中新町に三ヶ所作られています。栽培研究を通じて、国産小麦の自給率向上に挑戦する「『ゆめちから』栽培研究プログラム」の自由研究校に任命されている生物部の皆さんが、すでに取り組みを始めている場所でもあります。

 

 

高校2年生の探究学習グループ「さかのうえん」の生徒の皆さんの活動は、実際に「さかのうえん」に訪れてみるところから始まりました。

 

「この場所には何がないだろう。」そんな話から始まった平山様のお話。

 

戦前まで段々畑が広がっていた中新町。自給自足のための畑は、人口増加や、物流が整い遠方から物資が届くようになるにつれて町へと姿を変えていきます。

昭和30年ごろからの町造りは、無理に行った部分もあり、インフラの要で道路整備まで至らず、結果「道路がない」という状況になってしまいました。

 

 

 

生徒へ問いかけながらお話をしてくださったので、生徒は考えながら話を聞くことができました。

「道路がないと不便だよね。そうするとどうなるかな。」「人が減ります。」「その通り。」

 

過疎化が進めば、空き家が増えます。2年前まではアパートが建っていたという、目の前の畑。火災によって、建物が全焼してからは地域の管理によって雑草駆除などが行われていたそうですが、平山様の提案により、畑としての活用が始まりました。

「健康志向で農薬が使われていない野菜を食べたい、自分で育てたいという人も多いんですよ。」

 

 

 

畑を作るよりも若い人を集めるという目的で始まった「さかのうえん」。土地の整備には地域の方が40人も集まったそうです。

「畑に大事な要素である土を整備する中で、土の中から4平方メートルも瓦礫が出てきました。建物を壊すときに瓦礫を運べないので、土に埋めてしまったんです。」

 

整備される前の様子、整備する様子を写真や動画で見せていただきました。身近な場所の歴史について目で見て、話を聞く中で引き込まれた生徒の皆さんは食い入るようにタブレットを見つめていました。

 

 

「月500円の使用量で水も道具も、市で準備しているものを使えます。手ぶらで来れるということですね。」

 

この畑の他にも複数あるほぼ全ての畑は、すでに利用者がいるそうです。唐がらしや大根。冬の大地でもしっかりと根付いた野菜。

「市が使っている畑では長崎の伝統野菜を育てています。今は、赤大根、唐人菜です。この畑を使って一緒に活動ができたらいいなと思っています。」

 

 

中新町の土地活用、伝統野菜、植物の栽培について。様々な活動の種がある「さかのうえん」から一体どんな探究を生徒の皆さんは進めていくのでしょうか。

これからも「さかのうえん」グループは長崎市のご協力をいただきながら活動を進めていきます。この他にも高校2年生は実際に地域に触れながら探究活動を進めています。

 

次の活動についても是非、ご注目下さい。

※写真は高校2年生と生物部の様子。