昨日から第4回定期考査一週間前となり、18時には完全下校を知らせる校内放送が流れます。自学を終えた生徒が校舎を出た途端、ぶるっとする寒さで肩をすぼめて帰宅していく姿が。冷え込みも増してきたようです。
さて、今朝の気温を見ると9℃。日中は17℃まで上昇。ここ一週間は寒暖差に気を付けて過ごしていきましょう。生徒の皆さん、試験勉強の疲れから風邪を引きやすくなりますので、温かい飲み物を飲んで喉を潤してください。
文理選択~科目を選ぶ判断の決め手は?
11月18日(月曜)1時間目、79回生(現高校1年)を対象とした「文理選択に必要な科目選びについての説明会」を行いました。外部講師を招いての進学説明会が企画されることもありますが、今回は、進路決定の節目に長年携わってきた受験のプロである本校の教員の出番です。
理科(物理と生物)の選択科目について、物理担当の阿部先生が、卒業した先輩の事例を挙げながら「後悔しない科目選びをしてほしいです。また大学受験で必要な科目は何かを調べる時間も持ちましょう」と檄を飛ばしました。
学年集会の最後に、1年主任の下村(真)先生は
「進級すると、ステラ・エラン・フロンティア各コースで文理選択がはじまります。『将来やりたいこと』に向けて逆算して考えることの重要性、また自分が所属しているコースから国公立大学進学を一般入試で臨むのか、推薦入試で臨むのか…コースの特徴を理解しておきましょう」とアドバイスを送りました。
まだ、1年生だから、といっても2025年には新2年生。来年の4月から良いスタートを切るためにも、自分の将来について考えを深める時期が今です。皆さんの先輩方も、進路選択で悩み、考え、先生方からサポートを得て巣立っていきました。
今日は、高校1年生の秋に進路が明確になり、希望の進路を切り拓いていった本校73回生の卒業生の話題をお届けします。
KEEP ROWING~〝動ける医者を目指して〟
遡ること二カ月前、本校を訪れた73回卒業生の諸谷由紀さん。海星中・高6年間ステラマリスコースに在籍し、現在長崎大学医学部4年生です。偶然にも新聞記事の中で、漕艇競技の分野、長崎県選抜・国体強化選手として彼女の名前が掲載されていることを知り、改めて取材をすることに。坂本キャンパスで学生生活について語ってもらいました。
毎朝4:30から長与にあるボート場で朝練に励んだあと、大学の講義へ参加しているという諸谷さん。終日の講義に集中できるこのリズムを崩さないようにしているとのこと。メリハリをつけて、学業にもスポーツにも打ち込む姿は高校生活から変わらないですねと言うと、「私の趣味は、筋トレと一人旅なので、それがストレス発散にもなっているんです」と笑顔で話します。
高校では生徒会長を務め、コロナ禍で制限された中でも工夫して行事運営を精力的に行った諸谷さん。生徒会の仕事がないときは試験前であるとか関係なく、朝早くから自学する姿もよく見られる光景でした。
(毎朝一番に登校し自学に励んでいる姿が印象的だった話題は、2021年:本校ブログでも取材)
高校生活を振り返った後、夕食の時間となり食堂へ。話題はボード部の話題へ。
初心者から優勝を目指せるという医学部漕艇部のキャッチフレーズに目が留まり、ローイング競技へはまったという諸谷さん。今では、競技と部員の魅力が詰まったSNSを発信にも力を注いでいるとのこと。自分たちの活動を知ってもらうため、その可能性を広げるためのSNSへの取り組みを始めています。
「文化部出身も少なくありません。全員が同じスタートラインから、切磋琢磨しながら頂上を目指して日々練習に取り組んでいます! 大会はもちろん、地元のイベントや他大漕艇部との交流も多く、様々な形でローイング競技を楽しんでいます。」
※九州ブロック国体結果:成年女子ダブルスカル2位(本国体出場枠獲得)女子総合優勝、佐賀国スポ(本国体)成年女子ダブルスカル敗者復活3位という成績を残した。
冒頭でも述べた、高1の秋に進路選択が明確になったきっかけを尋ねると、〝夢ナビ〟(福岡でのイベント)の講義のひとつ、整形外科×スポーツ医学の講義を受けて、「外科」の仕事にトライしたい気持ちが高まり、医学部へ進むことを決めたと言います。自分の手で技術が生きる、即戦力として人の命を預かる仕事に邁進したいと考えるようになりました。
医学部4年生の勉強過程を尋ねると、
「全ての医学生が受験する教養試験を終え、臨床実習に向けて『臨床推論PBL』という授業に臨んでいます。患者さんの主訴や問診、検査所見からどのような病態・疾患が考えられるか、またそれに対してどのような治療をするかを話し合うグループワークを行っています」
これから進路を決めていくうえで後輩へのアドバイスをお願いしたところ、
「どの場面でも苦しい状況は必ずやってきます。それでも、何か強みとなるものを作ってそれを支えに自分を信じて勉強に励むことが大切だと思います。そして、楽しむこと。これも難しいですが、楽しむことを知っている人は、多くの引き出しを手に入れています。その引き出しの使い方を数多く知っていることは、何かに役立ちます。自分の体力が許せば、様々なことにチャレンジをしてほしいです」と話してくれました。
KEEP ROWING
本日の冒頭タイトルは、長崎大学医学部(漕艇部)の公式HPのトップバナー写真の中に出てくるフレーズを引用しました。
〝漕ぎ続ける〟という意味ですが、今まさに諸谷さんは次のステップへ船を漕ぎだしています。
即戦力として動ける医者を目指す諸谷さんの今後の活躍を願っています。
※写真は73回生卒業生の様子