「先生、この教室からはよく船が見えますね。あの客船の上に見えるのは何だと思いますか。」
昨日、生徒から受けた質問です。新しい教室からは、新しい眺めがあります。今日で新学期が始まってから2週間、周りが少しずつ見えるようになり、そのたびに、まだまだ新鮮な驚きが訪れます。
曇り空の朝、気温は14℃。今日も新しい1日が始まります。
「歌は、人の心を動かすと思っています。多くの人の心温かくなるような素敵な歌を歌っていきたいです。」
今年度、中学校に新しい同好会が生まれました。その名も『合唱同好会』です。最初の部長となる中学3年生から、話を聞かせてもらいました。
(昨年度、『予餞会』の様子)
「活動は昨年度からです。3年生を送る『予餞会』で歌わせていただきました。今年から同好会となり、新入部員も来てくれました。」
5人ながら、堂々と会場に響き渡る歌声を披露してくれたことは、記憶に鮮明に残っています。
「顧問は音楽の浦川先生です。声楽専門家である先生に日々ご指導いただいているので、実感として歌が上手になっていくのを感じます。普段は発声練習、筋トレ、曲の練習を行っています。歌うためには腹筋がとても大切なので、筋トレの時間をもっと充実していきたいです。」
丁寧な指導もさることながら、「この部分について、どのように歌ったらいいと思いますか。」と部員全体に、歌について考える時間を取っているのが印象的でした。
「今の課題は、声を重ねたときに、上手くまだ音が合っていないことです。一人一人の音が正しくても、合わせたときに綺麗に聞こえないので、お互いの声を聞き合う練習もしています。」
歌うたび、書き込みが加えられていきます。すぐに取り出せるようにペンがあり、間奏中にも、指導を受けたことや、気づいたことをメモしていました。
「みんなが仲良く、明るい雰囲気の中で練習できているのが、この合唱同好会の良いところだと思います。いつも先生が面白い話をしてくださるので、少し疲れている時も空気が和やかになります。」
「歌い始めると真剣で、みんなが一生懸命なところも良いところです。」
「聴いてくれる人に想いが届くように、気持ちを込めて歌っています。少しずつ表現力が磨かれていくといいなと思います。」
喜怒哀楽、様々な感情が歌に乗り、表情にも表れていました。
2曲分、練習を聴かせていただきましたが、ふと名状しがたい感情に心を揺すぶられ、涙があふれそうになりました。
「校内でコンサートを予定します。大会は、夏に行われる『NHK全国学校音楽コンクール』に参加したいと考えています。すごく厳しい大会なので、練習も大変になると思いますが、出場するからにも金賞を目指してみんなでがんばっています。もっとたくさんの人と一緒に歌いたいと思っています。少しでも興味があったら、是非見学に来てほしいです。」
そんなとき、音楽室の扉があき、さっそく見学者が来てくれました。
放課後、風に運ばれて皆の耳に届く歌声、今日も聞こえるのが楽しみです。
※ 写真は合唱同好会の様子。