平成29年 中学租税教室


 

ステラ館へ続く中学正門からの坂道、凜と立つ紫君子蘭(アガパンサス)の薄紫色に雨粒が降り注ぎ、この時期ならではしっとりとした美しさを見せてくれます。

見守るようにたたずむマリア像は、昨日カトリック研究会の生徒達に掃き清められ、はっとするような鮮やかな白さです。

続く梅雨空の朝、七夕の日に星空は望めそうにありませんが、梅雨ならではの趣を見た朝でした。

 

租税教室

さて、昨日中学校は各学年で総合学習を行いました。

本日は3年生の『租税教室』の様子をお伝えします。例年、専門家の方をお呼びして行う本講座、本年度は、岩永会計グループ アイジータックス 税理士法人より税理士の杉本様をお呼びして講演を行っていただきました。貴重な機会を本当にありがとうございました。

 

まずは、本校教員 社会科 丸野先生から税についての基本講座が行われました。

 

 

さかのぼれば、弥生時代、中国歴史書『魏志倭人伝』によれば、「女王卑弥呼が支配する邪馬台国では、種もみや絹織物を貢ぎ物として納められていた」と記されているほど古来から日本に根付いてきた制度です。

しかし、中学3年生にアンケートをしてみると、9割近くが必要だと感じていて、7割近くがよく知らないと答えた税制度。

 

なぜ税金を納めなくてはいけないのか、税金は何に使われているのか、世界の税、日本の税についての問題点は何なのか。○×クイズなどを交えながら、生徒に税金の基礎知識を教えていきました。

「さて、次の問題です。2019年10月に消費税率が引き上げられますが、その時、ハンバーガー店でチーズバーガーセットをテイクアウトで食べると税率は何%でしょうか。…正解は8%のままです。」

話は2019年に実施される消費税率引き上げと軽減税率の話にも及びました。

 

 

そして、杉本様の講演へとバトンタッチします。

丸野先生の授業の復習となる部分の内容もありながら、さらに詳しい内容を、クイズやスライドを交えながら、わかりやすくお話頂きました。

 

 

質疑応答の時間も作っていただき、生徒の質問に丁寧に答えてくださいました。

 

 

そして、恒例の『お金の重さ』を知る時間です。日本の国税は約54兆円(2015年調べ)、あまりにピンとこない額なので、まずは1千万円から。

 

 

さらに1億円。

 

 

「お金って…重いです。」

 

最後に感想をまとめていきます。

 

 

「日本に約50種類も税金の種類があるなんて驚きました。そして、そのお金が私たち中学生一人一人にも使われていると知って、とても身近で大事なものだと気づきました。」

「これから消費税が日本で10%に上がってもそれが国民の暮らしを豊かで安全にするために利用されているなら良いと思いました。」

様々な感想を生徒たちは抱いたようです。

 

 

「税金がたくさんの場所で使われていることがよく分かりました。では、私たちが税を払えば払った分だけ、日本は良い国になるのでしょうか。」

知ったからこそ、抱くことができた疑問点もありました。

 

身近だったのに見えなかったこと、新たな視点を得る学びでした。

 

※ 写真は租税教室の様子。