輪ゴムの飛行機


長崎の産物と言ったら数多くありますが、今が旬のものでというと何と言っても『びわ』でしょう。かぶりつきたくなる実は、期待を裏切らない甘い香りが口の中に広がります。柔らかいその食感には、最初に歯が当たるとき罪悪感さえ感じます(笑)

桃栗三年、柿八年、びわは早くて十三年。

その美味しい『びわ』は、実は古来「大薬王樹(だいやくおうじゅ)』といわれ、薬用として活用されているのをご存じでしょうか。免疫力を高める「びわ茶」などは今も愛好されています。なじみ深いものも、角度を変えてみると新たな発見があります。

楽しく発見

「前に来~い!見えるところまで動け~」と、職員室まで響く野口先生の大きな声が聞こえてきました。楽しそうな笑い声も続けて聞こえてきたので、その声をたどって行くと1年生の教室にたどり着いたので、その様子を見学することにしました。

先生を取り囲み、食い入るように地球儀に見入る生徒達の姿がありました。

「近づき過ぎ、近づき過ぎ笑。ソーシャルディスタンスでお願いしまーす。」

「はい!」

生徒皆さんの意欲に、声に導かれた教職員にも笑顔が広がりました。早速授業が始まります。

地理の授業。内容は「東京―NY間を飛行する飛行機が通るのは、その最短距離であること」地球儀と輪ゴムを使って視覚的に実感できる授業です。

いつも使っている教科書と地図帳は平面です。そこに言葉と黒板を使って説明を加えるだけなら、休校中のオンライン授業でも経験できます。しかし、平面の資料と音声だけではイメージしにくいこともあります。

先生と友だち、みんなで一緒に動き、見つめ、ゴムの弾ける音に耳を澄まし、「あぁ、そっか」と、思わずつぶやく。こうしたさまざまな感覚を通した実感を味わうことで、学びが腑に落ちていくのです。

「地球は自転しているから、飛行機は飛んでいても宇宙から見ると飛行機は少し止まって見えるのかもしれない。」

「直線で結べる各国の飛行場同士も、地球儀で輪ゴムを使って計るとこんなに距離がある。」

「飛行機はまっすぐ飛行しているんじゃないんだ。」

発見も出てきます。

知識は一人でも身につけることができますが「心に深く残る学び」は、やはり学校でみんなと過ごすことでたどり着くものではないでしょうか。

月曜日からやっと通常授業が始まりました。生徒たちのキラキラした表情こそが、学校で学ぶ何より大きな意義だと思う一時でした。

「丸いぜ!地球」

※写真は、授業の様子(中学担当)

5月29日

校長 武川 眞一郎

おはようございます。今朝の気温は16度 天気は晴れです。

5月もあと3日になりました。分散登校が始まったのは5月11日、全学年が揃っての授業開始が25日でした。先生方や生徒は感染予防を行いながら授業を行っています。「新しい生活」をみんなで知恵を出し合いながら作っていかなければならないでしょう。それが私達の「命」を守るためです。そして社会の「命」を守るためでもあります。

5月10日は「母の日」でした。「母の日」は5月の第2日曜日と定められていますが、カトリック教会では、古くから5月は「聖母月」と言われています。聖母とはマリア様のことです。マリアは全人類の母と位置付けられていますので、教会は5月をマリアとともにそれぞれの母親に対しても感謝の念を持ちなさいと教えています。

カトリックは、なぜこのように特別にマリアを崇敬しているのでしょうか。私達の一人ひとりには必ずが母親がいます。母親に対する気持ちはどんな人でも変わらないと思います。「感謝」「ありがとう」などの言葉が一番似つかわしい人だと思います。なぜなら私(あなた達)に命を与え、命を育んでくれた人だからです。その行為は見返りを期待しないものです。

「身二つ」という言葉をは初めて聞かれる方も多いのではと思いますが。これは、母親が私達を産むときに昔使われていた表現です。一つの身体(母)から新しい命が誕生する(二つの身体になる)からです。母親は自分の身の危険を承知の上で新しい「いのち」を世に与えるのです。(だから「子供は与え」られ、恵まれるのです)「マリア様のこころ」という聖歌があります。まさにマリア様の心は母親の心そのものだとわかる聖歌です。(マリアさまのところをおかあさんと変えてください)

マリアさまの こころ それは あおぞら

わたしたちを つつむ ひろい あおぞら

 

マリアさまの こころ それは かしのき

わたしたちを まもる つよい かしのき

 

マリアさまの こころ それは うぐいす

わたしたちと うたう もりの うぐいす

 

マリアさまの こころ それは やまゆり

わたしたちも ほしい しろい やまゆり

 

マリアさまの こころ それは サファイヤ

わたしたちを かざる ひかる サファイヤ

 

母は大きなこころで私を包み込んでくれます。

母は強い樫の木で私を守ってくれます。

母は美しい声で私に語ってくれます。

母は疑いを持たない白い心で私を信じてくれます。

母は輝かくまなざしで私に喜びを与えてくれます。

 

母親は私に永遠の愛を約束してくれています。最後まで信頼してくれています。

私達にできることは、「いのち」を与えてくれた母に感謝し、私達の「いのち」を育んでくれた母の苦労をねぎらうことだけです。そのようなことを思う月がこの「聖母月」ではないでしょうか。5月もあとわずかです、あらためて、母から与えられたこの「いのち」の尊さ、大切さを確認しましょう。

 

学園では、「3つの密」を避けるため生徒間では1M以上の間隔を設けて席を配置し、また、授業の間の休み時間はこれまでの10分間から15分間に延長し、手洗いや机の盤面の滅菌などの作業をしていこうと考えています。完全終息がいつになるのかわからない状態での授業再開であることをご理解いただいきたいと思っています。

 

社会も頑張っています。皆さんもご協力をお願いします。「私達は絶対、この困難を乗り越えられる」ことができると信じましょう。

 

次の「3つの密」を実践してください。
(1)人の集まるところへの外出はしないでください。(密集)
(2)閉ざされた空間では換気を十分に行いましょう。(密閉)
(3)人との接触を避け、一定の距離を保って話しましょう(密接)

(30秒手洗い)
指と指の間、爪先、手首を丁寧に石鹸で洗ってください。手をハンカチ等で拭いたあとアルコール消毒液を使用しましょう。