海星学園のリーダーとして(その②)


第1回高校オープンスクール

 

 

暦の上での「夏の折返し」地点、「夏至」を過ぎると暑さがまして本格的な夏がやってきます。校舎内の樹々が心地よさそうな陰をつくり、 爽やかな音をたてて葉をならしている様子を目にすると、わずかながら涼を感じることができます。今朝の気温は21℃。

 

 

第②回海星リーダー研修会「一次救命講習」

6月19日(月曜)、AED・心臓マッサージによる応急処置をテーマに、「一次救命講習」をエトワール館で行いました。

 

 

「みなさん、突然ですが、目の前で人が倒れた際、適切な対処ができるでしょうか?」

 救急車を呼ぶ。最初にすべきことは119への通報です。しかし、救急車は、要請して現場に到着するまでに約10分かかります。もしも倒れた患者さんが心停止(心臓が止まっている)状態であった場合、救急車が到着するまでの10分間が患者の転帰を決めると言っても過言ではありません。

 

第②回目となるリーダー研修会。定期考査が終わると、熱中症対策に努めながら部活動に精を出していくことになります。いつ、どんな緊急事態が起こるかわからない中で、リーダーが果たす役割、判断を身につけておくことも大切です。

中高の運動部・文化部のキャプテンは、一次救命処置(Basic Life Support)=BLS講習予習教材の動画を事前に視聴しての参加となりました。

 

まずは、傷病者の発見→周囲の確認→全身の確認を行ったのち、反応の確認→呼吸の確認と続きます。もちろん、119番通報など協力要請も行います。

 

 

「誰か人が倒れています。大丈夫ですか?分かりますかー?反応なし。(周囲に対して)AEDを持ってきてください!。119番通報お願いします!」

マネキンを使い、心肺蘇生のデモンストレーションの場面に四苦八苦する姿が。「呼吸の確認をします。イチ、ニ、サン、シ……普段どおりの呼吸なし。胸骨圧迫を開始します」

 

しかし、胸骨圧迫(心臓マッサージ)の場面の実践となると、なかなかうまくいきません。

研修の講師を務めた、赤十字救急法指導員の資格を持つ加藤先生が、アドバイスを生徒に送ります。

 

 

生徒の受講様子を尋ねてみると、

「最初の一歩が踏み出せない、という印象があります。過去の事例から見ても、誰かが助けるかもしれないと思い放置されるケースがあります。そこに居合わせた人たちの、(微力であっても)助けがあることで、助かる命があります。勇気を持って助けましょう。そのための講習です。また、赤十字救急法は、『病気・けが・災害から自分自身を守り、けが人や急病人(疾病者)を正しく救助し、医師または救急隊に引き継ぐまでの一次救助処置と応急手当』を目的としていることを覚えて役立ててほしいですね。」と加藤先生が話してくれました。

 

最後に、胸骨圧迫の後は、非常時にAEDをためらわずに使用できるスキルの必要性も学びました。

 

6グループに分かれて行った一次救命の実践を終えて、生徒に感想を尋ねると、

 

「いつ、どんな状況で遭遇するかわからない事態に、『自然に体が動いて』人助けが出来るようにしたいです」

「医療従事者として仕事に就くことを考えていますが、状況を把握し、観察し、その場に一番ふさわしい行動ができるかが学べて良かったです」

「校外での部活動遠征先の会場で、AEDが設置されている場所など確認しておくことも、一刻を争うときには必要な知識だと思いました。」

 

講習を通して、「助かる命を救うための行動」としての学びが深まったようです。

 

 

 

「その場に居合わせた人」のことを、「バイスタンダー」と呼びます。救急車を待つ間にできることは何か。 バイスタンダーが心肺蘇生と除細動を行うと、生存率は3倍に高まると言われています。

そして、ライフセーバーのコミュニティを作ることの大切さ、そして、❝命の鎖❞のひとつ、ひとつが「救命の連鎖」として生き、「生存率を高める」良い結果をもたらしてくれます。

 

※写真は、第2回リーダー研修会の模様。