ヤマアラシのジレンマ


インターネットの普及によって、時間的・距離的な制約を受けずにコミュニケーションをとることが出来るようになりました。

その一方、SNS依存やトラブル、失言・失敗がほぼ永久的にネット上に残るデジタルタトゥーなど、数多くの危険を回避する能力を求められる時代となっています。

 

2月26日(月)の午後、NPO法人「DV防止ながさき」の方々を講師としてお招きし、保健講話を開催しました。

題目は、「あなたと私の心と体を守るために」です。

 

 

今回は、デートDVを例として、他者と対等な立場を築く為に必要な行動、自分らしさと他者との関係、休日の遊びの誘い方や困った時の相談の方法など、実際の事例やロールプレイングを交えながら詳しく学びました。

 

 

保健委員の生徒が、具体的な事例について発表してくれました。

 

 

教育現場では、時代と共にさまざまな学習内容やコンテンツが取捨選択されてはいます。

しかし、自他の尊重という命題はいつの時代でも変わらず重要視される事柄の一つであり、「己の如く人を愛す」という本校の理念とも通ずるものがあるようにも感じます。

 

 

現代の中高生は対人関係の経験が少ない傾向にあります。

その理由は、少子化やSNSの普及など多々あるかとは思いますが、適度な距離感で向き合うことは必要なスキルの一つです。

「ヤマアラシのジレンマ」をご存じの方も多いかもしれません。

「ヤマアラシのジレンマ」とは、互いに仲良くなろうと心の距離を近づければ近づけるほど、互いに傷付けあって一定の距離以上は近付けない心理を指します。

人と人が仲良くなるためには「近づくこと」が絶対条件となりますが、近寄りすぎると互いの考え方の違いから、反発が起きたり嫌悪感に繋がったりすることがあります。

本当は実生活の中で得るのが一番ですが、不足した経験を補完する意味でも、今回の講話は非常に大きな学びの機会となったようでした。

 

この保健講話の開催にご尽力いただいた NPO法人「DV防止ながさき」様に心から御礼申し上げます。

素晴らしい学びの機会をありがとうございました。