ハプニングさえも学びに


中学3年生のクラスでは、度々、外国の生徒とオンラインでつながり、一緒に授業をする機会がありました。

2月27日(火)には初めてフィリピンのSan Pedro College Basic Educationの生徒と交流しました。

学級委員同士がお互いに挨拶をし、ミーティングがスタートしました。

 

 

最初にSan Pedro College Basic Educationの生徒がフィリピンと学校についてプレゼンテーションをしてくれました。

次に、お互いの言語を紹介しようとした瞬間、相手の画面が突然真っ暗に。

 

 

なんと、彼らの学校が停電になってしまいました。

相手校のDaniel Timbal 先生が自分の携帯を使って、音声だけでも繋ごうとしましたが、残念ながら音声も聞き取れず、結局ミーティングは10分足らずで終了しました。

 

 

その日、本校の生徒が新たに覚えた単語は「blackout」(停電)です。

その後、あちらの停電は7時間くらい続いたそうです。

ある生徒が「あの時、向こうの気温はどうだったのだろう」と調べてくれました。

気温は33.5℃、夕方に向けて気温が上がっていったことが分かりました。

ハプニングから調べ、学ぶ姿勢には脱帽です。

この生徒からは「本当にたいへんでしたよね、大丈夫でしょうか」と相手を気遣う言葉まで出てきました。

 

 

この1年、手紙やメール、ビデオレターの交換、そしてオンライン交流をしてきました。

しかし、全てが上手くいったわけではありませんでした。

問題は技術面だけではありません。

「相手に言いたいことが伝わない。」

「わかるのだけれど、すぐに言葉が出てこない。」

「話す内容がとっさにでてこない」など、自らへの反省の声も聞きました。

むしろ、失敗から学ぶことの方が多かったようです。

生徒たちは「英語が話せるとかっこいい」と口にすることがありますが、英語でも日本語でも一緒です。

言葉を使う側にも責任があります。

また、同時に、世界に目を向けることは楽しいだけでなく、時には知らなかった現実にショックを受けることもあります。

しかし、知らないよりも知ること、関わらないよりも関わることを選んでほしいと願わずにはいられません。

この1年の国際交流は「きっかけ」に過ぎません。

何かハプニングがあった時に、今回の生徒のようにその状況を知ろうとし、相手を思いやる心を育てていってくれることを願うばかりです。