暦も二十四節気「芒種」の期間に入りました。稲や麦など穂の出る植物の種を蒔く頃であり、稲の穂先にある針のような突起を、芒(のぎ)といいます。この頃から雨空が増えていきます。最高26℃まで気温が上昇すると言われている今朝は曇り空が広がっていましたが、鳥たちのさえずりがその曇天を吹き飛ばし、まるで空に光をもたらしているかのようです。
第71回NHK杯全国高校放送コンテスト長崎県大会
6月9日(日曜)、第71回NHK杯全国高校放送コンテスト長崎県大会が東彼杵町総合会館で行われました。本校からは、地区大会朗読部門で優秀賞を獲得した3年の大庭さん、創作ラジオドラマ番組部門枠から作品1本が県大会へ進みました。小雨降る朝、会場に向かう放送部生徒たちの足取りは軽やか。特に1年生にとっては初の県大会。「どんな作品が集まってくるのかな?」「他校の人のアナウンス・朗読も聴けるので来年の為に収音を頑張ろうっと」と元気な喋り声が聞こえてきました。
振り返れば、熱き闘いが繰り広げられた高総体期間中、放送部の放課後も、発声練習と企画会議の繰り返し。
「一番苦労したのは、脚本が仕上がらないことでした。脚本が上がらないと収録作業に入れず、…でも、伏線回収や、リズム感や、今までの卒業生の方々の優秀作品を聴いては、自分の脚本はくどいなと感じたり、でも、伝えたいことは確かに『これだ』というものはあるのに、言葉を紡ぐことができない悔しさがありました」そう話すのは、脚本の中心となった2年生の松村さん。
「でも、録音編集において先輩方のサポートがあることを信じて脚本を仕上げました。顧問の魚見先生や宮﨑先生から脚本の矛盾点を洗い出してもらい完成させることができました」
ラジオは映像がない分、自分たちの想像力をフル活用させて作品の中の役を演じる楽しさがあります。スクリプトを書いたり、音声編集を行ったりする制作過程では、自分たちのアイデアや感性を最大限に生かせます。企画会議で詰まったら、プロの講習を視聴して原点に返り学習を進めました。
「1年生のときは意見を出すのも一苦労した僕ですが、後輩が入ってきて、会議の進行を務める経験を通じて、企画のアイディアの種を出すことができるようになってきました。また、声から想像する人柄をイメージしたり、自分らしさを思いっきり出して演じてみたりと、とても心が躍ります。」と話すのは、今回の作品で重要な役割を果たしたキーパーソン、2年生の潟くん。
結果は…創作ラジオドラマ部門で優良賞。全国大会出場枠2枠に一歩及びませんでした。
NHK専門職の講評では「3人のすれ違いが面白く描かれ、対人関係で大切な、対話の重要性が伝わる良い作品」と評価された『ココロノカタワレ』。(※創作ラジオドラマは、6月29日のオープンスクールで公開します。ぜひご視聴ください。)
3年生部長の川渕くんは、「すべての部門を見て回ることができ良い経験になりました。全体的にマイクの使い方に関して、完璧とは言えないと感じた部分もありました。明らかに指向性から外れているもの、遠いもの、近すぎて近接効果が出てしまっているものなど、マイクの使い方次第で、読みの伝わり方も変わってくるのではと思いました。」と大会を振り返りました。
今回の音の編集作業では技術面が光った部分もあります。その点を質問すると
「3年生最後で形として残る賞を得られたことは大きな喜びでした。個人的には会場でもう一度聞いてみて『まだまだだ』と思った部分はありました。それでも〝高校生らしさ〟という制作において重要なテーマを、後輩と一緒に考え共同作業ができたことが収穫です」と笑顔で答えてくれました。
放送部の活動は、まるで「想像力の翼」を広げて飛び立つようなものです。私たちは言葉と音を通じて、人々の心に触れ、見えない世界を描き出します。
マイクを握るたびに、カメラを回すたびに、新たな物語や感動を届けるため私たちはその翼を羽ばたかせ続けています。
今後の放送部の活動にもご注目ください。
※写真は県大会に臨んだ放送部の様子。