昨日、2月26日(月)、海星高校2年生の5名が中学3年生にプレゼンテーションを行ってくれました。
その内容は、「カケハシ・プロジェクト」の経験に基づいたものでした。
「カケハシ・プロジェクト」とは、外務省の「対日理解促進交流プログラム」の中の北米を対象にした交流事業です。
昨年の2月22日~3月1日の日程で、海星高校の9名がNYを訪問しました。こちらもどうぞ
現地の学校訪問・ホームステイ・ユダヤ人博物館・国連本部訪問など、素晴らしい経験をしてきた彼らは、その経験を後輩たちへとつなぐ役割を担ってくれたのです。
このプロジェクトでは、長崎について英語で紹介する機会をいただいたり、現地の人と実際に交流したりしました。
「ある人は涙を流しながら語ってくれた」「教科書には載っていない資料を見て、より恐ろしさを実感した。」と、自分の肌で感じたことを自分の言葉で語り掛けていきます。
そして、本題は、彼らが一番衝撃を受けたというユダヤ人迫害についてです。
「平和とは戦争がないことだけを指すのではないのです。差別がないということも、平和であるためにはとても大切なことだと知りました。」
「長崎に原子爆弾が投下されたことを知らない人もいるように、私たちもユダヤ人迫害について深く知りません。」
「世界は広いのです。大きく視野を広げ、さまざまな考え方に目を向けてください。」
先輩たちの一言一言に、中学3年生は、じっくりと耳を傾けました。
「周りと話し合ってみてください」と呼び掛けられると、仲間と語り合いました。
高校生のプレゼンテーションに触れる機会など滅多にありません。
この先輩たちの発表から深く深く考えた中学生がいます。
「なぜユダヤ人が迫害されたのかを知りたかったです。迫害された理由があったのなら、迫害した立場、つまり敵の立場に立って物事を考え、本当に100%悪いのかを調べてみたいです。もしも迫害された理由がなかったのなら、どのような考えからヒトラーはホロコーストをしたのかを知りたいです。こんな間違った考えがあったから人が虐殺されたということを理解し、それを周りに伝えていくことも平和に繋がるのではないでしょうか。」(感想文より一部抜粋)
中学3年生は、今は「先輩」と呼ばれていますが、4月には「後輩」になります。
入学時にはさまざまなことを一から覚えていく立場になりますが、数年後、今回の先輩たちが見せてくれたことをさらに上回るプレゼンテーションができることを期待したいものです。
中高一貫校の良いところは、今回のプレゼンテーションや行事などで、高校生の先輩たちの活躍を間近に見ることができることです。
部活動によっては一緒にプレーすることも可能です。
憧れの存在を身近に感じながら、真似したりアレンジしたりして、より素敵な自分を作りあげていきます。
そうやって過ごした中学3年間の集大成である卒業式まで、あと11日です。
一番かっこいい自分を、残りの日々で後輩たちにたくさん見せてくれることを願うばかりです。