歌に想いを込めて


今週土曜日、3月9日は、海星中学校第77回卒業証書授与式です。

 

教育実習で3年生を担当したOGがお祝いに訪れてくれたり、

 

 

卒業式に向けての所作の練習が行われたり・・・至る所で卒業を感じます。

 

 

校舎からは卒業式の歌が聞こえてきます。

 

 

在校生が歌うのは「旅立ちの日に」。

1991年に埼玉県の中学校の先生たちが作ったこの曲は、現在では、卒業ソングの定番として認知されています。

 

一方、主役の卒業生が歌うのは、シンガーソングライター・優里さんの「桜晴」。

 

 

今日は、この曲が選ばれた経緯をご紹介します。

毎年、海星中学校では、卒業生が歌いたい曲を卒業式で歌います。

卒業生みんなの意見を反映させたいという思いから、ある目的を持って選考会を実施しました。

1月末、学年教室に集まった3年生に、卒業式で歌いたい曲をリストアップしてもらいました。

歌いたい曲名を自ら黒板に書いていくという方法をとると、あっという間に30曲ほどが黒板に書かれました。

 

さぁ、ここからが本題です。

曲名を書いた人に歌いたい理由をプレゼンテーションするように指示しました。

すると…生徒たちは唖然とし、「やっぱりいいです・・」「・・・」「いや、特には・・・」と、黒板に書かれた曲が次々に消されていきます。

そんな中、最初に男子2人が「桜晴」を選んだ理由をプレゼンテーションしてくれました。

歌詞の良さ、卒業のイメージなどを端的に語ってくれました。

それに続いたのが、レミオロメン「3月9日」を推す生徒、そして、ゆずの「栄光の架け橋」、kiroroの「未来へ」と続き、最後はSGの「僕らまた」を推す女子グループがプレゼンを行いました。

 

 

1年時には「長崎学」、2年時では「職場体験」、そして3年時では「修学旅行」。

毎年、行ってきたプレゼンテーションの集大成を見せてほしかったのです。

 

企業が求める人物像、新入社員に必要なもの…などの回答に、いつも上位で登場するのが「コミュニケーションが取れる人物」「自身の思いや経験を売り込める人物」です。

プレゼンテーションを課す大学入試や入社試験も少なくありません。

これからのことを見据え、自分が歌いたい曲ではなく、みんなで卒業式に歌いたい曲を選んでほしかったのです。

5曲に絞られた後は、皆で投票して決めました。

結果は、僅差ながらも「桜晴」が得票1位でした。

いきなりプレゼンを振られても、一番初めに歌いたい気持ちを売り込んだことが、みんなの心を動かしたのかもしれません。

 

みんなで選んだ「桜晴」。見守り続けた3年学年団の先生方。

みんなの思いが詰まっています。

土曜日、これまで支えてくれた方々へ、そして自分自身へ、それぞれの思いを込めて歌います。