今朝の気温は7℃。ひんやりとはするものの、朝陽が柔らかく降り注ぐ朝となりました。昨夜は穏やかな空気に包まれ、夜空にはきれいな満月が見られました。3月の満月は「土から虫が顔を出す頃」などから「ワームムーン」と呼ばれるとか。英語圏では月ごとに呼び方が変わり、来月は「ピンクムーン」。今年は、4月6日の入学式頃にピークを迎えます。お天気に恵まれた中で見られることを期待したいです。
さて、天気予報のWeb閲覧中、「知るはチカラになる」「検索はチカラになる」というメッセージを目にしました。これはヤフーとLINEが、東日本大震災の被災地復興支援や防災啓発を行う企画のコピー文です。大地震が発生してから12年の歳月が流れた3月11日は、今週の土曜日です。
あの日を知り、復興の力になることが、大切な未来を守る日となります。
無知を知る
「平和を作るための戦争と言って教科書にも書かれていました。傷つけて殺すのが戦争だと、実際に行ってみてやっとわかったんです。真実を知ること、無知であることの怖さをみなさん知ってください。」
これは、元ひめゆり学徒の宮城喜久子さんのメッセージです。16歳の時に補助看護要員として動員され、目の前で次々と友人を失いました。血まみれの友人たちを前に、助けることもできず戦火から逃げ惑って知った戦争の悲惨さ。その経験を語ることで、真実を知ることの意味を、語り部として伝えてこられた方です。
先月2月26日(日曜)の出来事です。原爆資料館で「沖縄研修報告会」が開かれました。昨年12月に訪れた沖縄で見聞きしたことから得た学びを発表したのは、本校の岩本くんです。
岩本くんは、部活動の先輩との出会いから、被爆建造物等のフィールドワーク、県外の学生との交流を行う「青少年ピースボランティア」に所属することになりました。
(本校OB近藤さんによる「沖縄戦」に関するリポート)
「戦争というものがどんなに恐ろしいものか、戦場がどんなに厳しいものなのか全く知らないんです。教師も生徒も。」(宮城喜久子さんの証言から)
「僕自身、誰かに伝えて誰かと話して初めて、平和学習というものができていくと考えるので、体験者ではありませんが、自分が話すことの意味はあるんじゃないかと思います。」
本校から参加した生徒の中で、「ひめゆり平和祈念資料館」に関する報告を行った岩本くんは、館内のVTRで話す宮城喜久子さんのメッセージに衝撃を受け、もっと被爆の実相を知り、継承していく必要があると強く思ったそうです。
(ひめゆり平和祈念資料館を訪ねて:沖縄県糸満市)
(ひめゆり学徒隊が勤務した病院壕跡)
戦後70年が経ち、戦争体験者も少なくなっていく中、その思いを受け継ぐ若い世代の語り部の活動は、続いていきます。岩本くんは、戦争を繰り返さないためには、こうして、起きた出来事を知る、「無知を知って」対話をしていくことに意味があると、次の世代を担う年代の責任を強く語っていました。
「無知を知る」
沖縄を訪れ、自分の気づきを学びへと変え、自分の生活の中に取り組む行動へ踏み出した岩本くん。
平和を訴える諸活動の原動力に希望をもたらしてくれた一日でした。
※写真は、平和活動に参加した生徒の様子。