リベラルアーツの挑戦に触れて


9月9日(土曜)は第2回オープンスクール、まもなく。

 

今朝の気温は26℃。昨日の朝は空気のやわらぎを感じることができました。それでも日中は噴き出す汗がとまりません。「処暑」と呼べる期間も本日ぐらいまで。「白露の候」と呼べる頃には暑さが収まっていることを期待します。

 

ポストヒューマンの時代を生きる

 生成AIやゲノム編集など、人間の能力を拡張する新技術が次々に生まれ、社会や世界は急速に変化しています。そんな時代を私たちはどう生きていくべきなのか、学際的な視野で思考を深める体験の機会を各大学が与えてくれています。

 

先月8月8日(火曜)~12日(土曜)にかけて『ICU Global Challenge Forum 2023 夏特別講座』に参加し、「リベラルアーツ次世代育成プログラム」での学びを深めた生徒がいます。

 

この特別講座に参加した川岳さんは高校2年生(K77回生)です。

参加した動機を尋ねると、

「もともと国連の仕事に関心があり、語学を使って発展途上国の教育をサポートできる仕事を考えていたので参加しました」と教えてくれました。

生徒会、部活動に、平和活動……と活動範囲が広いこともあり、スケジュール的にこなせるかどうか、このプログラムに参加することに不安があったと話します。それでも、「人間とは何か、人が人であること」というテーマに強い関心を抱き、思い切って参加を決めました。

 

大学から出された設問(ディスカッショントピック)は8項目あり、関心の高い順に理由を説明するものでした。

「生殖医療はどこまで倫理的に許されるか」「『心とは何か?』」をもとに私たちはどのような人間観を描き、それに基づいてどのような生き方・世界を構築すべきか」など、世界の一部である自分を意識し、「責任ある地球市民」としての資質を求められる設問が並んでいました。

 

川岳さんが苦しんだのは、「考えることを考えることを考える」というテーマ。多くの活動を行っている自分の体験を通して説明することにまとまりがなく、説得力がないことを思い知らされ、講座に参加する約1ヶ月前から、英語科の法村先生、担任の美明先生、本ブログ担当者を交えて、ディスカッションの練習に取り組みました。

 

そして、無事研修を終えた川岳さんが、2学期が始まった最初の週に講座で得てきたことの報告をしてくれました。

「君が学んできたことがわかりやすくまとまっていて、よい報告だと思います」と先生方からコメントが。

「その得てきたことが、今後考えていく『リベラルアーツ』教育の何につながるのか、考えを深めてください」とアドバイス。

 

「リベラルアーツから問う『ポストヒューマン論争』」

多角的にものを見る。そして同世代の多様な参加者との対話を通して、「答えのない問いに向き合う」4日間に触れた川岳さん。視野を広げることができたこの夏の体験が、川岳さんの中の、自分の気づきを学びへと変え、自分の生活の中に取り組む行動へ踏み出していく原動力になったようです。

今週土曜には、第2回オープンスクールのスタッフとしても活躍します。

まだまだ川岳さんの「リベラルアーツの挑戦」に触れる活動は今後も続きます。

 

※写真は、ICU Global Challenge Forum 2023 夏特別講座に参加した生徒の様子。