「熱」と「誠」をもって


今朝の気温は8℃。寒さが厳しくなるこの季節、空気が澄んで清々しく感じられる時でもあります。

七十二候は今日から小寒の次候となり、第六十八候「水泉動(しみずあたたかをふくむ)」に入りました。地中で凍った泉の水が溶け、動き始める頃をさします。寒さの厳しい「小寒」ですが、季節は動いていて、地中では凍った泉が融けて動き始めていると言われています。

本ブログの冒頭で二十四節気・七十二候の言葉を紹介させていただくことがあります。暦と季節のずれを感じる中でも、言葉一つで、日常生活を送る私たちにとって、季節の微妙な変化を感じ取る手助けとなります。「水泉動」―自然も、私たちの目に見えないところで深く、大きく、しかし確かな兆しを示しながら、ゆっくりと動いていることを感じさせます。

 

 

お知らせ

本日、①時間目は「朝の祈り」のあと宗教講話を行います。如己の会献金は被災した石川県へ災害義援金として送金されます。改めまして、この地震で亡くなられた方々に哀悼の意を表します。また、年末・年始に実家などに帰省していた方もいらっしゃたかと存じます。被災者の方をはじめ、年初から困難な状況に遭遇された皆さま方に心からお見舞い申し上げます。

 

人に熱と誠があれば何事でも達成するよ。

本日、3年生(76回生)は、明日・明後日に控えた大学入学共通テストのために本校で祝福式に臨み、会場である県立大学の試験会場の下見に出かけます。

 

 

共通テスト対策を行い、残った時間で受験教科に関する連絡を行いました。そのあと15分ほどでしたが、受け持ちのクラスを対象に、ある1本の記事を読んでもらい感想を書いてもらいました。

1月10日9:00に配信された福島民報。タイトルは「夢はかなう」

 

重ねた努力は必ず報われるとして、叱咤激励を受けながら机に向かっている受験生に思いを巡らし、さらに被災した生徒に向けて、北里柴三郎博士の言葉を引用したコラムです。

北里柴三郎は「日本細菌学の父」といわれる人です。その研究によって伝染病の治療と予防に大きく貢献したことで知られています。長い研究の末、世界で初めて破傷風菌の純粋培養に成功しました。見出しの言葉は、それを成し遂げて間もないときに、後輩の学者を励ますために言ったもので、「熱」は情熱、「誠」は誠実でまじめな心、という意味です。

限られた時間の中で書いてもらいましたが、さすが、受験生。コラムを読み終わった途端、黙々と感想を書き出していきました。

 

「控えメンバーでいたことの多い部活動の時間を過ごしましたが、『試合に出てチームを勝たせる選手になる』ことを目標に掲げ、常に自分に問いかけ立ち止まり試行錯誤しながら練習に励んでいました。その気持ちが一つ一つの勝ち数に繋がった経験が忘れられません。私は、人に『熱』と『誠』があれば達成できることを、本番の受験でも活かしていきたいと思います」

「私は物事を継続させ達成したことがなく、熱と誠がいくらあっても・・・と思っていました。でも受験のためにかけてきた時間を振り返ってみると、『受かりたい』という強い気持ちは誰にも負けない自信をもって試験に臨んだことを思い出しました。すでに進路は決まっていますが、北里先生の言葉を、もう一度、自分の心に留めて、残りの時間を過ごしたいと思います。」

「気持ちが折れそうなときは黙々自学に励む友人の背中を見て、自分の『熱』を冷まさないように心がけてきました。友達の背中と、そして互いに励まし合った言葉、忘れません」

 

様々な感想を読みながら、それぞれの想いに応えられているだろうかと。

私たちも、良きタイミングで生徒の皆さんの伴走者としての言葉かけを行っていきたいと強く感じました。

 

言葉には何らかの力があります。ご家族からの、あるときは先生方からの、または、一緒に受験勉強に励んだ友人同士で励まし合った言葉には、言った方の想いや、そうなってほしいという願いがあります。多くの人の励ましの声、その言葉を信じて受験会場に入って下さい。

受験生の皆さん、試験会場へ向かうときは「背筋を伸ばし、空を見上げるような姿勢を意識して歩くと、うつむいて歩く場合と比べると気分がかなり前向きになる」という、脳医学の観点から述べた医者のアドバイスを、オンライン新聞記事で見つけました。

 

今日は、北里柴三郎博士の言葉をお借りして「人に熱と誠があれば何事でも達成するよ。」で皆さんの背中を押します。

心と体の健康に恵まれ、これまでの努力の成果を存分に発揮し、試練を乗り越えて将来の希望する進路を実現することができますように、教職員一同、応援しています。

※写真は、授業の様子。